人を愛するという事-性愛編-

前回の続き

人を愛するという事について

ちょっと生々しいけど結びついて離れない、性についてのお話です

専門的な知識はないので認識違いがあればご容赦くださいな

 

人と人が愛し合う、というと必ずと言って良いほど性的な関係が含まれます。

異性であれ同性であれ、愛し合う2人は次第に手を繋ぐ、腕を組む、口付けをする、等の表面的な接触からより深いものを求めるものです。

これは第二次性徴で生殖能力を獲得した時出現する性欲という本能、そしてこの性本能に起因する他人と愛し合いたいという感情の性愛、またただ繋がりたいなら性的欲求と呼ばれるものです。

まとめると、性欲は本能であり、誰かと愛し合いたいという想いは性愛、愛であり、誰かと繋がりたいという思いは性的欲求、これは相手を求める感情だからどっちでもありかな?

 

で、エリシアさんはどうなってんの?って話ですよね。いやぁちょっと流石に恥ずかしいですね

再び結論から申し上げますと、エリシアさんも多分人間なので性欲はあります。ですが性愛と性的欲求はありません。

性欲とは人間の本能です。そして体感ですがストレスと割と密接な関係にあるようです。前回さらっと書いた通り精神疾患を抱えるエリシアさんのストレス強度は豆腐以下です。ぷるぷるゼリーです。そのためうっかり脳が溢れるストレス処理を放棄すると「うげームラムラするぅ…」って感じになります。

 

さて本題。じゃあ性的欲求はないの?って事ですね。前回私が恋愛感情が解らないという話をしましたので、性愛が、誰かを愛した上で愛し合うが無理なのはご理解頂けるかと思います。タイトルをそれっぽく濁しただけなのです…そう、今回の主軸は性愛ではなく性的欲求についてです。愛がなくても本能で、性的欲求だけで人は繋がってしまえるのです。では何故性欲はあるのに性的欲求はないと言い切ったのか。今回もなるべく細かく丁寧に、偶には赤裸々に参りたいと思います。

 

さて、自分に性的欲求、つまりは性欲を相手に求めることがあるのかないのか、どうすればわかると思いますか?イメトレでは無理がありますよね。そうです、エリシアさんなんと経験があるのです。1ではないですが0ではないのです。私に決定的な認識を与えてくれた相手についてリスペクトを忘れず、なるべく重くならず、できるだけ面白おかしく参ります。

 

それは20歳の時です。大学2年、精神的な体調の悪化で休学を決め、前回の彼と別れ、有り体に言えばどん底ってました。学力だけが全てだったのに勉強が手につかず、自分から振ったくせに「上手く彼女が出来なかった」とどろりどろりと淀む私の唯一の話し相手が今回のお相手になります。

彼は以前、兄の友達の友達グループが家に集団で泊まりに来た時に出会いました。我が家は同居の祖母と自分しか興味のない父、懐が広すぎてなんでも受け入れる母、自分の友達は妹にも紹介したい兄で構成されており、高頻度で誰かが泊まりに来ておりました。私も慣れてましたし、普通に一緒に遊びましたが、その時既に持病持ちだった私が心を開く事はありませんでした。しかし、彼だけは何となく仲良くなれる気がしました。陰の波動を感じ取ったのです。

そんな彼と連絡をとるようになり、夜眠れない時や不調の波の時など彼は嫌がらずに話を聞いてくれました。いい鬱友をもったなぁとしみじみ感謝していたりしてたのです

そんな折、東京でイベントがあり、東京は以前一人旅で楽しかった思い出もあったので予定を立てて行くことにしました。家族も家で鬱々されるより旅行に行ってくれた方が良かったのでしょう。さっくり送り出されました。そして彼は東京の人で、折角ならうちに遊びにおいでよと言われました。ご実家だと聞いていたので悪いと断ったのですが「君の家みたいな感じだから気にせずおいで」と言われ、納得。そっかー!お土産買っていこー!って感じ。エリシアさんは少しばかり世間知らずだったのです…

 

駅に迎えに来てくれた彼はスーツケースを持ってくれて家まで案内してくれました。一軒家を予想していたちょろシアさん(20)は狭めの集合住宅に何となく違和感。そして家に入ってすぐの彼の私室に手を引かれ、強い香水の香りにウッと気を取られている隙に壁ドン&ちゅー。悲しいかな?ファーストキスでした。漫画ならアツい展開なんですが、現実は頭中がショートして熱かったです。がっつり酸欠まで持ってかれ、否定の言葉もそこそこに「向こうの部屋に妹居るから静かにして」とベッドに押し倒されちゃいました。びっくり仰天。頭はパニック。しかし服に手をかけられた時、突然頭が冴え渡ったのです。私は緊急事態に際し急速に頭が働く癖がありました。

そう、ただでヤラれるエリシアさんではなかったのです!!中2から続けてきた龍笛のお陰で私はかなり酸欠慣れしていました。酸欠で手が震える感覚を覚えているのでべろちゅー程度で動きが鈍る事等無いのです!加えて幼少期に8年続けた合気道と、小学校から10年以上通い続けている整骨院の説明好きな先生から蓄えた骨格関節知識!これらを一気に引っ張り出し、彼が隣に来たタイミングで肩を押してベッドに押し倒し、そのまま上半身に上半身をどすん!腰の両端を腕でさり気なく押さえることを忘れずに!エリシアさんののしかかり!!私は彼と身長がほぼ同じでしたので、細身の彼より体重の重い私に分がありました。彼が甘えたがりな所を知っていたので抵抗が止んだタイミングで、宥めるように頭を撫でて「ほんとに来るので疲れちゃったから、ちょっとだけ休ませて」と言い、そのままいいタイミングで狸寝入りをキメました。彼も「おっぱい重…」とか言いながら静まってくれました。ひとまず勝利です!

さて彼の上で狸寝入り中のエリシアさん。考えることは1つ、これからどうするかです。彼は無理やり私を引き剥がすことをしませんでした。幾ら細身で私が策を弄しても、男性ですから無理やりしようと思えばできたでしょう。多少強引ですが、彼はちゃんと合意であることを必要としてくれています。何より男性の家に覚悟もなく遊びに来てしまった自分の迂闊さに今頃後悔していました。いえ、全く考えなかった訳ではなかったのです。今までのやり取りでもなんかちょっと奔放なのかなとは思っていました。ただ自分に恋愛感情がないばかりに自分もその対象になると深く考えていなかったのです。

そこで初めて真剣に考えました。彼には良くしてもらっていて、彼の話も聞いていて誰かに温めてほしいようでした。そんな彼を私は受け入れることができるのか。考えた末、私は気付きました。誰かに体を開く、自分そのものが気持ち悪くて堪らないのです。自分に対する嫌悪感で手先が冷えて足が凍えるようでした。

そして同時に、男性の男性性を示す局部が怖かったのです。実は中学後半から結構な男性恐怖症でしたが大学に入った位で随分緩和していました。無くはないが、酷くはない、程度の認識だったそれが突然帰ってきてびっくりしました。それに私は所謂腐女子なので、BL漫画も嗜みます。商業BLは大抵後半に男性同士で性交渉するシーンがあり、別段それに恐怖を抱いたことはありませんでした。割と見慣れた2次元のそれが3次元で形を持った瞬間怖くて怖くて、男性の方には申し訳ないのですが本当に気持ち悪くなりました

そんなわけで2時間ほどの熟考から無理だと悟った私はなるべく自然に起きてベッドから素早く降り、お土産を渡しました。その後本当に無理であること、せっかく招いてくれたのに申し訳ない旨を伝えました。間に彼のチャレンジ的なディープやフェラもどきも挟みましたが、凍りついた意思と鋼の回避力で回避し、彼は諦めてスーツケースをもって駅まで送ってくれました。「ほんとにごめんね」というと「残念だけど、仕方ないね」と言ってくれました。

電車で彼に家から離れながら、じわじわと嫌悪感が全身を包んでいました。チャレンジディープの時彼に「慣れてきたんじゃない?ちょっとは気持ちよくない?」と言われ、思ったまま「わかんない」と言いましたが、その時明確に気持ち悪いと思いました。誰かに口を開けた自分への不快感と口に残った気持ち悪さで半泣きになりながら、されど冷静に近場のカプセルホテルを予約し東京の1日目を凌ぎました。幸い2日目以降は当初の予定通りある程度楽しんで帰りました。1番のお土産は性に関わる自分への嫌悪感になりましたが。

 

そんなわけで、さっくりまとめると、エリシアさんに性的欲求はありません。自分が他者と性交渉をすることに強い嫌悪感があるからです。

ついでに思い出された男性恐怖症のお陰で3次元の男性の局部が恐怖の対象になるようです。

 

相手が悪かっただけでは?と思う人もいるでしょう。それもあるのかもしれません。誠実な人は家に入ってすぐ壁ドン&べろちゅーはしません。そのくらいの認識はあります。

けれど私が1番に抱いたのは自分に対する嫌悪感でした。緊急回避で押し倒した彼ではなかったのです。その為相手に依存しない可能性が高いです。

 

ちなみに女性は分かりません。昔から恋愛感情を意識したことがないので、相手が男性であっても女性であっても性別は関係ありません。寧ろ男性恐怖症が根付いてるので、もし恋愛感情を持てる時があったら相手は女性だろうと何となく思っています。女性相手の性的欲求はわかりませんが、自身の嫌悪感があるのでまぁ同じですかね。

 

この性的欲求を持てないという事が、なんちゃって恋愛感情を抱けない気持ちに拍車をかけます。恋愛感情を持つにはどうすればいいか、ずばり色んな人と出会いお付き合いをするしかないのです。そりゃそうですよね、「人を好きになれるかわかんない」って言われたら「付き合ってみればいいじゃん!」ってなりますよね。出会いの場は時間と場所さえあれば現代社会において結構あります。そういう物は出会いお付き合いする事が大前提で、いいなと思ったら話して、2、3回お会いしてお付き合いっていう流れ。色んな人がいますし実際これで結婚した方もいるそうです。

ここで前述の事が私にストップをかけてしまうのです。私は現状相手が誰であれ性交渉はできません。考えるだけでも気持ち悪くて無理です。けれどお付き合いの中にはそういう事も勿論含まれます。含まない方もいるかもですが大衆はそうではないと私は思っています。お付き合いを前提に親しくなったのに、そういった事が出来ない。先にいえば脈なしと思われ、後にいえば狡いとされるか試してみようと言われるか。性に関わる事だけに誰にでも言える事ではないですし、理解は難しいでしょう。相手か自分かどちらかを傷つけるかもしれません。

そのことを考えると恋愛感情を知りたくても安易に出会いを求める気持ちにならないのです

 

ま、前回も申した通り、現状はまったりと漂う海月のように生きております。

皆さんの幸せな愛の話を吸いながら、深く考えずゆらゆら波に流される今は、比較的幸福だと思うので。

 

ぴんぽんぱんぽーん

異性の家に行く時はちゃんとそういう可能性を考えて、それでも行くというなら覚悟を決めて行くんだよ!!エリシアさんとの約束だ!!!